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傑作映画から読み解く「脚本と演出の関係性」を学ぶ 特別講義「ものすごくえらい人が書いた脚本をものすごくえらい監督が演出したらどうなるか」が開講

2015年10月18日(日) レポート

いよいよ最終日10月18日(日)を迎えた京都国際映画祭2015。立誠シネマプロジェクトでは、特別講義「ものすごくえらい人が書いた脚本をものすごくえらい監督が演出したらどうなるか」からのスタートです。朝11時から14時までの3時間行われます。
講師を務めるのは、東京の映画美学校で教鞭をとる脚本家の高橋洋さん。“Jホラー”というジャンルを確立した『リング』(98)、『リング2』(99)などの脚本、ホラー作『ソドムの市』(04)、『恐怖』(10)などの監督を手がけられています。

今回の講義で学ぶのは、「脚本と演出の関係性」。かつての京都を舞台に、“世界のクロサワ”と呼ばれる日本映画界の巨匠・黒澤明が脚本を、日本映画の創世記から映画を撮り続けた天才・マキノ正博(雅弘)が監督した『殺陣師段平』(1950年)を教材に紐解いていきます。

「映画作りは、シナリオの読み合わせをして、この脚本をどのようにリライトするかディスカッションすることからはじまります」と高橋さん。ということで、“優れた脚本と演出がいかに映画を傑作へと導くのか?”を理解する入り口として、実際に生徒さんが脚本の読み合わせをします。「監督は音(声)でプレビューして演出プランを練ります」と、頭の中でシュミレーションして画を考えるため、重要な作業であると説きます。同時に脚本を読むことは、「監督の演出の第1歩。演出という形でリライトしているんです」とも。

極めて完成度の高い黒澤明の脚本を、マキノ監督がどのような根拠で演出したのか。文字の上でと、映像では同じシーンでも込められたチカラがいかに変わっていくのか。シナリオを読んだ時に受け止めた印象と、実際に映像を観て比べてみます。

高橋さんのことばを聞き漏らすまいとペンを走らせる方、中には録音する方も。みなさんの瞳に宿る真剣さから、受講されるのをとても心待ちにされていたのが伺えます。いつか京都国際映画祭で作品が上映される日を願い、受講者の方の中から、すばらしい脚本家が生まれるのに期待です。