ニュース全ニュース

三船敏郎主演の「赤ひげ」トークショーで息子、三船史郎が当時の思い出を語る。

2015年10月16日(金) レポート

10月16日(金)TOHOシネマズ二条では三船敏郎主演の「赤ひげ」が上映されました。
上映後舞台挨拶には、主演俳優を父に持つ三船史郎さん、おかけんた、なだぎ武が登壇。
映画や史郎さんの父・三船敏郎にまつわるトークショーを繰り広げました。

「赤ひげ」は何度も見ているが、久しぶりに見たと言う史郎さん。
なだぎも17歳の時、大阪梅田にリバイバル上映したのを見に行った以来だそうで、「改めて愛がある作品だと見て感じました。」とのこと。
また「トイレ休憩があって本当によかった。」と長丁場作品だということにおかけんたが言及すると、なだぎは「7人の侍と赤ひげが同時上映だったのでこれはいいと思って見に行ったんですが、昼前に見に行って終わった頃には日が暮れてました。」と同じく言及。

「赤ひげ」という映画だけあって話題は「ヒゲ」の話題に。
左手でヒゲを触るシーンがすごく印象的だと話すおかけんた。
撮影当時の思い出を史郎さんに聞くと、
「撮影当時は50年前ものことで、その当時私は中学3年生だったのですが、父は仕事のことは一切家には持ち込みませんでした。赤ひげは実際にはモノクロの映画なのですが、父のこだわりで、ヒゲを赤く染めないといけないということで、ベンジンを使ってヒゲを脱色して肌がピリピリして痛む!と苦労していました。」
なだぎは、「大人のジョークというか笑える作品だったのだなと改めて思いました。」とこだわりに共感。

またこの映画の見どころのひとつに、おかけんたは、子役の子の昔独特のアクセントがきいていると話すと、なだぎも
「子役の子にはすごく哀愁がある。悲しい表情ができるし、多分作られてないそのままの気持ちが出てからできるんでしょう。」
史郎さんにもこの映画の見どころ、印象的なシーンを聞くと、
「加山雄三さんが最初のうちはなかなか病院に馴染めないんですよ。でもそのうち衣装も着替えて、自分がここの診療所の一員としてやらなければいけない!と決心するシーンがとても印象的でした。」とコメントしました。

お父さんの敏郎さんはたくさんのいろんな映画に出ていましたが、普段役作りはされていたんですか?との質問には、「役作りは家族としては見たことがないです。本当に普通の父親でした。」
男は黙ってサッポロビールというCMが当時話題になっていて敏郎さんにはすごく寡黙な印象があるというおかけんた。
撮影当時は、「海外の作品でメキシコの映画に出演したのですが、家族を呼んでアカプルコやインカの遺産を観光したり、赤ひげの頃はモーターボートに凝っていて海に連れて行ってもらってボートに乗せてもらったり遊んだりしていた。」と本当にどこにでもいる普通の良き父親だったとを話す史郎さん。
昔はビデオもなく、映画館に足を運ばないといけない時代だった。史郎さんは「蜘蛛の巣城」を渋谷TOHOに見に行ったのが初めてだといいます。
黒澤作品をたくさん見ていたというなだぎは、「元気で野蛮な男がよくここまで7人の侍を統括して野武士をやっつけたなという男の物語をあの作品で見たときに、あのままのゴツゴツした三船敏郎の印象がどの作品にもあって、あの頃子供の頃に感じれなかったものが大人になってわかった。
無骨なイメージがあったけどその中にもちゃんと人間愛があって、人情があるんだなと思いました。」と話しました。
なだぎは「こういう機会に昔ながらの名作を見ていただくのは非常に良い機会なのでこれを機に皆さんも是非見てみてください!」と締めくくりました。