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『夏の夜の夢』舞台挨拶で発表、吉本興業初の洋画配給作品『マクベス』日本公開決定!

2015年10月17日(土) レポート

10月17日、TOHO シネマズ二条にて『京都国際映画祭 2015』特別上映作品『夏の夜の夢』 が上映されました。

シェイクスピア作『夏の夜の夢』は、4つの話が見事に絡み合い紡がれるドラマで知られています。
結婚間近のアセンズ公シーシアスとアマゾン国のヒッポリタ、喧嘩中の妖精王オーベロンと女王タイターニアという森で恋の駆け引きを繰り広げる4人の恋人たち。
そしてシーシアスとヒッポリタの結婚式の余興で演じる舞台を練習している一団。
彼らが一 同に夏至の夜の森に集まったことから巻き起こる、面白くも幻想的なヒューマンドラマです。

本作は2014年にニューヨークで上演され、同年にトロント国際映画祭でプレミア上映されました。
監督のジュリー・テイモアは、光と影のコントラストを駆使して、力強く魅惑的な「愛」の幻影を表現し、多くの評価を得ました。

上映後の舞台挨拶ではMCのザ・プラン9の浅越ゴエが登場。
そして「『京都国際映画祭 2015』“応援芸人”のお~い!久馬さんです!」と同じくザ・プラン 9、お~い!久馬を紹介しました。

映画『夏の夜の夢』を見終えての感想を口々に語るふたり。
約2時間半の上映時間は、「あっという間、夢のような時間でしたね」と久馬。
久馬は、自身のユニット、ザ・プラン9の舞台はもちろん、様々な舞台作品やテレビドラマの脚本・演出も手掛けています。
それ だけにクリエーター目線での感想も飛び出しました。
特に驚いていたのは、舞台の演出。
「話はもちろんのこと演出がすごかったです。あの舞台はどうなってるんでしょうね? 上から降りてきたりとか...」と久馬。
ゴエも「簡素なステージであれだけのことができるとは」と感心しきっていました。
そして、「何百年も前の話が今まで伝わってきていることもすごいこと」と久馬。特にお気に入りのシーンは惚れ薬を用いるところで、「作品が作られた時代でも、あんなことをやろうと思っていたなんて。吉本新喜劇なら分かるけど。こんな時代まで演じられるとは思ってなかったでしょうからね、シェイクスピアも。本当は“あれ、ちょっと気に入らんかってんけどな”って思って るかもしれないですね」とアイデアの面白みも感じていました。
「役者さんの力がすごい」と力説する一方で、観客が映っていたことにも気になっていた浅越。「みんなお金持ちそうな顔していましたね」と独特の目線での感想を語りました。

脚本家としてインスパイアされて、何か作品を作ってほしいと浅越に頼まれた久馬。すると「言うても昔は僕、“シェイク・久馬”を名乗ってましたから!」と大胆発言。
前身コンビの名前、シェイクダウンのことで、「いやいやいや、シェイク・久馬ではないでしょう」と真っ先に否定されていました。
ちなみに、シェイクダウンはハウンドドッグの曲名から拝借したそうです。
トークが弾むふたり。
「この時間は、映画を観終わって語らっているような空間と思ってほ しいですね」と観客の皆さんに語りかける浅越。
そして、日本人の俳優だったら誰に出てほしい?と架空のキャスティングも始まりました。
「小さい男の人は、池乃めだか師匠、屈強な男はなかやまきんに君、ロバの仮面をかぶった人はそのまんま、吉田裕君とかね」など、「どうしても新喜劇になりますね」と久馬。
ふたりの意見は「吉本新喜劇版も見てみたい」で一致しました。

そして、浅越に「シェイクスピアの四大悲劇って知ってますか?」と振られた久馬。
「知ってますよ! 『ハムレット』『オセロ―』『リア王』、あと『トリュフ』でしょ」と答え、「違いますよ!」とツッコミが。「三大悲劇と一大珍味かと思ってました!」と笑わせました。

ここで話題は、吉本興業が初めて海外の映画作品を配給することになったというニュースに触れました。
その第一弾は、『マクベス』。
今年5月に開催された「第68回カンヌ国際映画祭」では、コンベティション部門のクロージング作品として上映され、上映後約10分間 はスタンディングオベーションが起こり、圧倒的な映像美とドラマ性の高さが絶賛された 世界的な話題作です。
会場内で予告編を見たふたりは、「スクリーンに吉本興業の文字を大きく観ることはまずない」とテンション高め、「新しいマクベスを楽しんでほしい」と浅越、期待を寄せました。
そして、初の海外作品配給に関して、吉本興業と業務提携を結んだアイアトン・エンタテインメントのウィリアム・アイアトンさんが登壇されました。
アイアトン・エンタテイメント設立の目的、目標は、日本とアメリカに関わるコンテンツ制作、配給、配信です。
その代表であるアイアトンさんは、以前はワーナーエンターテイメント ジャパンの社長に就任されていました。

ここでは、アイアトンさんに『マクベス』の配給や今後の展望についてのメッセージをいただきました。
「吉本興業と業務提携で初の洋画作品配給をご一緒させていただくのは光栄です。『マクベス』は、今年の『カンヌ国際映画祭』で話題になっていた作品です。
映画祭が終わるまで 目立たなかった作品でしたが、私もたまたま(映画祭の)後半の方でカンヌに行きまして、私の妻がまず先に拝見し“すごくよかった”と感想を聞きました。そして私も拝見しました。
たまたま、日本での権利が空いていたので、交渉をして吉本興業の許諾を取りまして、配給することになりました」とアイアトンさん。
「(作品は)感動しましたか?」という浅越の問いに、「そうですね。マクベス役は、マイケル・フェスベンダーが演じているのですが、アメリカでは来週公開する『Steve Jobs』に スティーブ・ジョブズ役で出るんですけども、『マクベス』と『Steve Jobs』でWノミネー トでは?との噂もあります。
『マクベス』の全米配給を行うのはザ・ワインスタイン・カンパニーで、『スラムドッグ$ミリオネア』など、何本かアカデミー賞を持って帰ってきたところなので期待しています」と大ヒットに期待を寄せられました。
最後は、「上映後の舞台挨拶、皆さん楽しんでいただけましたでしょうか? 『京都国際映画祭』をきっかけに、これからもいろんな映画を楽しんでほしいです。『マクベス』も日本 公開の 2016 年初夏に楽しんでください」と浅越が挨拶し、舞台挨拶を終えました。