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紐を巻いて作る「京こま」ワークショップで、子どもも大人も大興奮!

2015年10月17日(土) レポート

多彩なアートが展示されている元・立誠小学校で、10月17日、京職人によるワークショップが開催されました。
この日最初に行われたのは、京都で唯一「京こま」の文化を継承し続けている「雀休」の中村佳之さんによる、京こま作りのワークショップ。子どもから大人まで、会場には多くの参加者が来場しました。

司会は、女と男の和田ちゃんと市川。子どもたちとコミュニケーションしながら、和やかに進行していきます。そしてまず、シンプルなこまから、お雛様の形をしたもの、祇園祭の山鉾をかたどったものまで、中村さんの手により作られた大小さまざまなデザインのこまを紹介しながら、「京こま」とはどんなものなのかを中村さんにお聞きします。子どもたちはこまに触れたり、回すことに夢中で、大人たちは中村さんの説明に耳を傾けます。

京こまは、着物布や綿紐を巻いて作る京都の伝統工芸。安土桃山時代から作られてきたもので、当時は上流階級の女性たちの遊び道具として使われてきました。それが後に「お座敷遊び」として広まり、お皿に乗せて対戦させたり、お皿に豆を入れて豆を弾いた数を競ったりと発展し、一般の人たちにも広まっていったそうです。

また、「物事を円満に回していくとか、輪が広がるとか、芯が通っているといった意味がある“縁起物”として大切にされてきました」と中村さんが教えてくれる京こまの背景に、参加者たちは興味深く聞き入っていました。

そして、事前に自分で選んだ4本の紐やこまの芯を手に、実際に参加者が作業をスタート!出来上がりをイメージしながら巻く色の順番を決めて、1本1本丁寧に巻いていきます。一緒に参加していた和田ちゃんは「紐が重なっていくごとに難しくなる!」と困り顔を見せていました。

4本すべて巻き終えたら、巻いた部分を窪ませて三角形にするなど、好きな形に整えて、中村さんがニスを塗って固めます。同じように巻いても、選んだ色や仕上げの形によって、参加者それぞれに個性が出ていました。楽しそうに作る子どもたちを見て、「リボンとつまようじがあれば作れるので、ご家庭でもぜひチャレンジしてほしいですね」と、中村さん。そして市川がこれから目指していることを尋ねると、「伝統工芸はずっと続けていくことが大事。たくさんの人に喜んでいただいて、京こまを継承していきたい」と、力を込めました。

この日作った京こまは、インテリアとして飾っても可愛いサイズ。参加者たちは仕上がったこまを笑顔で見つめたり、さっそく回したりと、満足気にしていました。