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ピース又吉が書道家・田中象雨さんとコラボイベント!“芥川賞作家”又吉のアートな世界観で観客を魅了!?

2015年10月17日(土) レポート

10月17日(土)、アート展示『又吉直樹×「文学」の世界』を開催中の京都市中京区の総本山 誓願寺で、同展の特別イベント『梵鐘鳴るのや、晴れるのや』が行われ、ピース・又吉直樹と書道家の田中象雨さんが登場しました。

『又吉直樹×「文学」の世界』展は、小説『火花』が芥川賞を受賞し、作家としての才能を世に知らしめた又吉の“文学”の世界がアートを通して体感できる催し。『火花』のカバーを飾った装画『イマスカ』や、又吉と田中さんの共著『新・四字熟語』で又吉が考案した奇想天外な四字熟語を田中さんが描いた書などが展示されています。

そんな又吉直樹の独自の世界観をさらに深く掘り下げる今回の特別イベントは、誓願寺の本堂で行われました。ご本尊が見守る厳かな雰囲気の中、まずは又吉が朗読する詩に合わせ、田中さんが字を描く書道パフォーマンスからスタート。畳2枚分ほどの大きな紙に、筆を叩きつけるように描くパワフルな筆さばきに、又吉も「田中さんが字を書くところ久しぶりに見たけど、めちゃめちゃかっこいいですね!」と圧倒されていました。

そしてこの後、又吉と親交の深い構成作家・中村元樹が進行を務めるトークショーへ。
まずは又吉と田中さんから、『新・四字熟語』の誕生秘話が明かされます。もともとは、ライブイベントで書を描いていた田中さんの字に又吉が惚れ込み、自身のライブの題字を依頼したことから交流が始まり、その後、又吉が繰り出す言葉のセンスに注目した田中さんが「何か言葉を考えてください」と依頼したのがきっかけとか。

「又吉さんがポツリと『鈴虫炒飯』と言って、気持ち悪っ!と思いながらも(笑)、そこからどんどんイメージが膨らんで」形式は四字熟語に決まったのだそうです。熟語の意味を微妙に変化させて筆致で見事に表現する田中さんの書に「書道ってこんなおもしろいことができるんや」と感動したという又吉。今回の展示も「誓願寺という場所が、田中さんの書の雰囲気にとても合いそう」という又吉の思いから実現したといいます。

続いては、『新・四字熟語』の中から2人がお気に入りの熟語を紹介しました。田中さんは、きれいな夕焼けを見るために遠回りする情景を描いた「夕焼左折」をオススメ。又吉は「幹事横領」を選び、「信じていた人に裏切られるという…。特に宴会の多いクリスマスとか楽しい時期に裏切られるぐらい悲しいことはないですよね(笑)」と悲哀に溢れた状況を説明して笑いを誘っていました。田中さんが又吉の生んだ熟語を描いた作品は、現在100点以上!「また一緒におもしろいことやりましょう!」と約束し、田中さんは会場を後にしました。

この後は、発行部数200万部を超えた芥川賞受賞作『火花』についての疑問を、中村が又吉に直撃するトークへ。
会場にも展示されている画家・西川美穂さんの作品『イマスカ』をなぜ本の装画に選んだのか?という質問には、「最初に見たときは赤い山かと思ったけど、タイトルを聞いたら『イマスカ』。赤い布を被っている人なのかなと思って、その人にイマスカ?と聞いているのか、逆にイマスカ?と聞かれているのか。そう考えるとおもしろくなって、僕が考える『火花』のイメージにもピッタリだと思った」と又吉。

また、『火花』を書き始めるとき、漫才師の話にしようということ以外に「実は何も決めていなかった」と意外な裏話も。「コントのネタ合わせするとき、設定と俺は○○役、お前は○○役と役割だけ決めてやりながら作っていく感じ」で書き進めながら物語の行方を固めていったことを明かしました。

そのほか、芥川賞作家として注目を浴びる現在の心境や、「5作目までにおもしろい作品を書きたい。4、5年ごとに目標を作って長生きしていきたい(笑)」という今後の抱負などを明かし、「今回の展示はすばらしいのでぜひ見てください」とPRしてイベントを締めくくりました。

総本山 誓願寺では、墨絵を得意とする村上ショージが、竹で作った和紙「竹紙」に京都の風景を描いた力作を展示する『村上ショージの「竹紙」墨絵展』も同時開催。明日18日まで行われていますので、芸人たちのアーティスティックな一面をぜひ体感しにきてください。