ニュース全ニュース

山崎バニラさんの活弁で客席は笑いの渦に!「家族で楽しもう!おもちゃ映画とちびっ子ギャング」

2015年10月17日(土) レポート

10月17日(土)、よしもと衹園花月にて、子どもから大人まで楽しめるサイレント作品を集めた「家族で楽しもう!おもちゃ映画とちびっ子ギャング」が行われました。
「おもちゃ映画」とは、大正から昭和にかけて普及した玩具映写機用に販売された無声映画の断片のこと。
今回は昨年、好評を博したプログラム『怒濤のおもちゃ映画特集』第2弾のほか、アメリカ発・日本でも人気を得た『ちびっ子ギャング』シリーズ、牧野省三監督の遺作となった相撲喜劇『雷電』が上映されました。

司会は清水圭が担当。さらに「サイレント映画をより楽しんでいただくためのゲスト」として、活弁の山崎バニラさん、大阪芸術大学教授でおもちゃ映画ミュージアム代表の太田米男さん、そして昨年も参加してすっかり「おもちゃ映画」に魅了されたという月亭八光が登場します。
大正琴やピアノを演奏しながら活弁を行う山崎さんのスタイルは、唯一無二のものだそうで、「大正琴は、祖母が通販で買ったが使わず余っていたものを押し入れから引っ張り出し、独学で習得しました」というエピソードも披露。
大田さんは「バニラさんは、活弁のイメージを変え、若い人たちにも見やすくしてくれた存在。これをきっかけに、おもちゃ映画を広く知ってもらいたい」と呼びかけます。

まずは『ちびっ子ギャング ドッグデイズ』『ちびっ子ギャング モンキー・ビジネス』を連続で。通算221作品も作られた大人気シリーズの中から、最も人気があったオリジナルメンバー出演の2作をピックアップしました。
太田さん、清水、八光は、お客さんと一緒に楽しむことに。
タイトル通り、ちびっ子たちがドタバタ劇を繰り広げる映像に、山崎さんのピアノと活弁が乗ると、客席は爆笑の連続!
見終わった清水と八光は「面白かった!」「90年前の作品でしょう? どうやってたんやろう。動物も子どももすごくいい!」と大興奮です。

続いては、「京都国際映画祭」の実行委員長・中島貞夫監督が加わり、牧野省三監督の最後の作品であり、その息子であるマキノ雅弘監督が俳優として出演している『雷電』の上映です。
中島監督にとっての「映画の師匠」であるマキノ監督は、子ども時代から父の監督作に出演。
中島監督は当時の牧野家のエピソードを披露しつつ、「(マキノ監督は)監督としてもすごいが、役者として通せばすごい役者になったのでは」と振り返ります。
山崎さんは、今度は大正琴を弾きながらの活弁で、江戸時代に史上最強と言われた力士・雷電を主人公にした喜劇に、イキイキとした息吹を吹き込みました。

最後を飾るのは、『怒濤のおもちゃ映画特集第2弾』。
長くても3分程度というおもちゃ映画をいくつも集め、“見本市”のように仕上げた20分の作品には、シュールな展開や絵柄のものも多数。
見終わった八光は、爆笑する一方で「どういう精神状態で描いたんでしょう?」と大胆すぎる発想に脱帽。山崎さんによるオリジナルの音楽も見事にマッチし、「懐かしい」だけではない、奥深い魅力を大いにアピールしていました。