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伝説のドキュメンタリー『ゆきゆきて、神軍』舞台挨拶は仰天エピソードの宝庫!

2015年10月17日(土) レポート

10月17(土)、立誠シネマプロジェクトにて上映された『ゆきゆきて、神軍』は、帰還兵のアナーキスト・奥崎謙三さんを追った衝撃的なドキュメンタリーです。
1987年の公開以来、今もなお多大な影響力を与えつづけている伝説的な作品。今回の上映も満席です。
上映後、原一男 監督と、当時、助監督を務めた安岡卓治さんによる舞台挨拶が行われました。

開始早々に原監督は「ドキュメンタリーの場合には裏話をするのが必要だと思っているんですよね。この作品を上映した後はいつも、『1時間ください』とお願いするのですが。1時間でも足りないくらい。以前に仙台で上映した時は2時間話しました」と驚きのあいさつ。
「観ただけではわからない」疑問が生まれるのも仕方がないのを断り、「その代わりにトークの時間をたっぷりもらう」のがこの作品の上映スタイルなんだそう。
本日はショートバージョンのため、「かなり早いスピードで話します」と宣言。ここからは待った無しのハイスピードで“原節”炸裂のトークが進んでいきます。

衝撃的なドキュメンタリーの裏話は驚きの連続です。
「文部大臣の車に自分の車をぶつけたい。それを撮ってもらいたいと頼まれたい」と依頼を奥崎さんから受けた困惑のエピソード。
先ほどまで互いにせめぎ合い緊迫したシーンを撮影していたのに奥崎さんが出演者、スタッフみんなに会席の場を設けてくれたものの何とも言えない気持ちに包まれたこと。とあるシーンでは感情の高ぶった相手が奥崎さんのネクタイを締め上げ、危険を察知した安岡さんが止めに入ったら原監督に叱り飛ばされたというギリギリなエピソード。
朝6時に奥崎さんから原監督宛に“アイデア相談”の電話が掛かってくるのが日常化していたなど、堰を切ったようにエピソードが溢れ出し止まりません。
次々と捲し立てる原監督のことばに、じっと耳を傾けながら集まったお客さんの目は輝きを増していくのでした。

今回は約40分ほどのトークで締めに。
「奥崎さん、もうこの映画を止めましょう」という危機が何度もあったという本作。「もっと面白いエピソードが実はあるんですよ。また聞きにきてくださいね」と、まだまだ話し足りないといった様子で原監督と安岡さんは会場を後にしました。