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喜劇映画のルーツを探る! 喜劇王の名作を大江能楽堂で鑑賞

2015年10月18日(日) レポート

京都国際映画祭最終日となった10月18日、大江能楽堂で行われたのが「喜劇映画のルーツ ファッティとキートン」です。
世界三大喜劇王の一人、バスター・キートン。そして、そのキートンをデビューさせたロスコー・“ファッティ”・アーバックル。
この二人が繰り出すアクション、息ぴったりの間合いを存分に堪能できる「コニー・アイランド」に加え、同時代の喜劇傑作選なども合わせて上映されました。

当日、会場である大江能楽堂には、女性や子どもの姿も多く見られるなど、幅広い年齢の観客が詰めかけました。
まずはMCの清水圭が登場。続いて、おもちゃ映画ミュージアムの太田米男さん、今作の活弁、大森くみこさん、キーボードの藤代敦さん、パーカッション・トイピアノ担当のMomeeさん、そして解説の喜劇映画研究会・新野敏也さん、人気上昇中の女性コンビ、おかずクラブがステージ上に登場します。

大森さんの活弁との馴れ初めや、サイレント映画に音を入れることの面白さ、難しさを藤代さん、Momeeさんが語るなど、上映前のトークも盛り上がります。
おかずクラブのゆいPは、小学生のころ、チャップリンのことを調べていたという意外なカミングアウトもありつつ、スタンバイが完了。
ステージ上に設置されたスクリーンに映像が流れ始め、まずは「コニー・アイランド」がスタートです。

スクリーン狭しと暴れ回るキートンとファッティ。女装したグラマーなファッティの姿や、キートンのキレの良いバック転など、見どころが盛りだくさんのこの作品。それをさらに盛り上げるのが、軽妙の大森さんの活弁。
途中、おかずクラブのネタなども挟みつつ、ストーリーが進行していきます。

映像に合わせて絶妙なタイミングで鳴らされるパーカッション。キーボードも落ち着いたテンポの旋律やコミカルなメロディなど、シーンに合わせてバラエティに富んだ曲を聞かせてくれました。映像と3人の見事なコラボレーションに、会場は何度も笑いに包まれます。

「コニー・アイランド」終了後、一旦全員がステージに。
おかずクラブは「活弁の大森さんがすごい! わかりやすいし、子どもたちもすごく笑ってましたよね!」と興奮気味。
清水も3人のコラボで作品が何倍もおもしろくなっていると話します。
「素晴らしくて言葉が出ない」と新野さんはコメント。

続いては、新野さんの解説による「特選ギャグ集」を上映。
新野さんが解説、Momeeさんが伴奏を付けます。埋もれてしまっているギャグをご覧頂きたいと新野さん。
シチュエーションコメディやパントマイム、ジャグリングなど、今の笑いの源流ともいえる、様々な映像が流れます。
これを見たおかずクラブは「お腹抱えて笑いました」。清水も子どもが大きな声で笑っていたのがすごい、とコメント。さらに、おかずクラブが弁当を早食いしていたというエピソードを暴露し、客席の笑いを誘います。

次に上映されたのが「デブ君の給仕」。
こちらも大森さんの活弁、藤代さん、Momeeさんの伴奏がぴたりとハマり、客席は大爆笑。皆が声を上げて笑っています。
映像もパントマイムなどを使ったコミカルな動きの連続。大人から子どもまで誰もが楽しめる、まさに喜劇のルーツと言える素晴らしい作品でした。

上演を終えた大森さんは「何度も笑っていただいてありがとうございます」と客席に感謝のコメント。
「大きいスクリーンで見られてよかった」と藤代さん。
「みなさんが笑ってくれると私たちも安心するんです。今日はすごい助けていただいた、ありがとうございます」とMommeさんも話しました。

おかずクラブの感想は「子どもにすごく人気が出そう」。学校とかでやった方がいい、やらないともったいないと絶賛です。
新野さんは「大きなステージで、お客さんみんないっしょに笑ったというのが素晴らしいですね」とコメントしました。
最後には太田さん、清水が「2016年にもみなさんといっしょに盛り上がりたい」と話し、イベントは幕を下ろしました。