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“食べ物”に向き合うリアリティにも期待! 平祐奈さん、若山耀人さん、坂田利夫、工藤里紗監督が登壇した『ぼくが命をいただいた3日間』舞台挨拶

2015年10月18日(日) レポート

10月18日、TOHOシネマズ二条にて『京都国際映画祭2015』TV DIRECTOR‘S MOVIE部門の『ぼくが命をいただいた3日間』(テレビ東京)が上映されました。

テレビ東京の工藤里紗さんが監督の『ぼくが命をいただいた3日間』は、「食べる」とは?「生きる」とは?「命をいただく」とは?と、日本の伝統的な食文化を通して成長していく少年を描いた食育エンターテインメント作品です。今年3月に行われた『島ぜんぶでおーきな祭 第7回沖縄国際映画祭』でも上映された本作。平愛梨さんの妹、平祐奈さんがヒロインということも話題に上がりました。

小学6年生の悠介は、冬休みを利用して初めて父の田舎に遊びに行くことになります。そこに広がるのは初めて目にする虫や自然、古い日本家屋、祖父母が日常的に食している田舎の料理。祖父に連れられて行った畑での農作業、山で知る狩猟の世界。少年はこれまで考えたこともなかった「いただきます」の意味を知り、美しい少女と出会います。ひと冬の経験が少年を大きく成長させていく様子を描き、坂田利夫も出演しています。

上映前の舞台挨拶では、平祐奈さん、若山耀人さん、坂田利夫、工藤里紗監督が登壇。大山恵理乃の司会進行でトークを展開しました。

時代劇の撮影で何度も京都に足を運び、京都大好きという平さん。赤いワンピースは「芸術の秋」を意識してチョイス。舞台挨拶を華やかに彩ります。若山さんも大勢のお客様を前に「こんなにたくさんの方が集まってくれて感謝しています」と大人顔負けのしっかりしたご挨拶を。工藤監督は「秋の京都、晴れの日曜日にこんなに来ていただいて嬉しいです」と顔をほころばせました。そして坂田は「芸能界に入って50年、ここへ来るのが夢でした。やっと叶ってありがとさんでございます」といつもの坂田節を効かせてのご挨拶を。

「普段、当たり前にいただいているものですが、それは当たり前のことじゃなくて、撮影を通して“命をいただいているんだ”ということ改めて教えてもらいました」と平さん、すごくいい体験をさせてもらったと感慨深く語られました。「この作品に出演する前は、自分が普段、いろんなことを通じて食べていることを知らなくて。でも、この作品で、食べ物への感謝だったり、ありがたみだったり、“いただきます”の意味を知ることができました。自分にとっていい経験ができたなと思います」と若山さんも鮮烈な体験をされたようです。「彼とまったく同じ意見です」とは坂田。「本当に感謝しています」と出演した喜びをかみしめていました。

工藤監督には今、4歳になるお子様がいらっしゃいます。食事の際、挨拶と同じように「いただきます」と言いなさいと伝えていたそうです。「いただきます」とは何か、また食材がどのようにして食卓に運ばれてくるかということも話していました。そんな時、「それって根本的に大切なことだと思って、この作品をやりたいと思いました」と製作の原点を明かしました。

印象に残ったシーンをネタバレしない程度に教えてほしいと大山。「それは難しいですね…」と平さん、熟考の末、「動物が結構、出てくるのですが、…それは飛んでいるものなんですけど」とお客様が想像しやすいようにとヒントを出されつつ、「その飛んでいるものをいただく前の体験を実際にしました。そこが見どころです」。また、ロケは茨城県で行われ「大自然の中だったので、空とか景色にも注目してください」とPRされました。若山さんは「スーパーで売られているものが、どういうふうに運ばれるのか。そこに注目してください」。坂田は「笑うかビックリするか、どっちかだと思う」と前置きし、「あっと驚くものを食べました!」と誇らしげ。平さん、若山さんも「あ!」と、そのシーンを思い出されたようで、くすくすと笑う若山さん。坂田に「言っちゃダメですよ!」と楽しそうです。

本作の撮影は2月に行われました。一番寒い時期だけに「とにかく寒かった」と振り返る工藤監督。撮影のメインは藁ぶき屋根の家。暖房は囲炉裏一つあるのみでした。それだけに、「役者やスタッフが囲炉裏係となって、みんなで囲炉裏を囲んで暖を取っていました」と、和気あいあいとした現場の雰囲気が感じられるエピソードもありました。

話題は好きな食べ物について。平さんは「白ごはんと舞茸のバター醬油和えです」。とにかく白米が大好きなんだとか。若山さんは「貝類のお寿司と山菜うどん。あとはおばあちゃんが作ってくれるお稲荷さんです。おばあちゃんが作ってくれるお稲荷さんが一番おいしくて、この前も学校の運動会でお弁当におばあちゃんがお稲荷さんを作ってくれました。そのおかげでいろんな競技を頑張れたんですが、残念ながら優勝は逃してしまいました」と少年らしい一面ものぞかせました。この流れで坂田にも子供の頃好きだったものを尋ねると「太刀魚」。焼いて食べるとおいしいと嬉しそうに話しました。

上映を前にしたお客様に向けて、改めてメッセージをいただきました。平さんは「最近、寒くなってきたので、この映画を観て温かい気持ちになって、これからの冬を過ごしてもらったらいいなと思います」。
若山さんは「本当にこの映画を観て、“いただきます”の意味だったり、食べる前にいろんなことを考えたりするようになると思うので、ぜひそこに注目して楽しんでいただけたらと思います」。
「私はいつも舞台でアホなことばっかりやっている芸人でございますが、この映画では最初から最後まで“賢い坂田”で通しております。びっくりすると思いますので、ひとつよろしくお願いします」と坂田。
工藤監督は「作品は一つの物語なのですが、平さんも若山さんも、この撮影で初めて経験することが多くて、ドキュメンタリーのようでもあります。そういった点にも注目してみてください」と、そのリアリティも楽しみなアドバイスをくださいました。

『ぼくが命をいただいた3日間』は2016年春に公開予定だそう。「親子やお孫さんと一緒とか、異なる世代で観ていただくと、観終わった後にお話するきっかけがいっぱい出てくると思います。撮影現場でもいろんな世代がいて、オフの時の会話も面白かったので、違う世代の方と観てもらったら面白いと思います」と工藤監督、一人でも多くの方に観てほしいと熱望されました。