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日韓問題を描いたドキュメンタリー作品『タイズ・ザット・バインド~ジャパン・アンド・コリア~』上映に先立ち、朴槿惠大統領の妹、朴槿令さんがトークショーを開催

2015年10月18日(日) レポート

10月18日(日)、よしもと祇園花月にて、日韓問題を描いたニコニコドキュメンタリーオリジナル作品『タイズ・ザット・バインド~ジャパン・アンド・コリア~』を上演。
それに先立ち、韓国の朴槿惠大統領の妹、朴槿令(パク・クンリョン)さんが登壇。『京都国際映画祭』の感想や、日韓関係に今思うことを語りました。

ニコニコドキュメンタリーとは、ネットでしか配信できない映像を配信するとともに、作品に関連するさまざまなテーマについてネット上での活発な議論の場を展開していくプロジェクト。
その第一弾となるオリジナル作品、『タイズ・ザット・バインド~ジャパン・アンド・コリア~』は、BBCワールドワイドから推薦を受けたイギリスの制作会社 BLAKEWAY が国際的な第三者の視点から「日韓問題」を描いた作品です。
その作品の上映、そして日韓関係を語るうえで適役ともいえる朴槿令さんが訪れるとあり、劇場には多くのお客さんがつめかけました。

まずは進行役の松嶋初音さんに『京都国際映画祭』の感想を尋ねられた朴槿令さん。
とくに元・立誠小学校で展示中のアート作品が心に残ったようで、なかでも印象的だったという富田菜摘展『ものものいきもの』について語りました。
「動物の模型を、廃品やリサイクル品などを活用した観察力のある素晴らしい作品だと思いました。想像力の豊かな子供達にとって非常にいいモデルになると思います。今後、アジアやヨーロッパを巡回しながら展示すれば、地球に優しい教育が可能なのではないでしょうか」との提案も。また、「吉本興業所属のコメディアンの方が指で作った作品も、とても創造力にあふれた作品でした」とも。

実は朴槿令さんは、この日以前に『タイズ・ザット・バインド~ジャパン・アンド・コリア~』を見た感想や日韓関係への思いを語るため、今年8月にニコニコドキュメンタリーの企画に出演しています。
出演への思いを尋ねられた際は、「私の父(朴正煕)が進めた日韓国交正常化が50周年を迎え、父の精神を引き継ぐという心で出演しました。正直な気持ちを申し上げましたが、そんな機会をいただけたことを感謝しています」と説明。一方で、「一部ではバッシングがありました。しかし、サイレント・マジョリティの皆様が私を支持してくださっています。“災い転じて福となす”という風に思っています」と語りました。

この映画の注目すべき点を尋ねられた朴槿令さんは、「作品を見て、私自身も非常に勉強になった」とも。「全体的な所感なのですが、“被害者”、“加害者”という話がたくさん出てきました。とくに韓国の方に申し上げたいのは、例えばおよそ100年前に韓国で伊藤博文を暗殺したといわれている安重根ですが、彼が遺言に残したのは『東洋平和論』です。『東洋平和論』とは、アジアが一つになって新しい歴史を作っていかなくてはならない、というもの。父は『東洋平和論』に基づいてそういった日韓国交正常化を推し進めたのです」と、アジアがひとつになる必要性を投げかけます。
また、「連座制や連帯責任という考え方は未来の足かせになってしまうのではないか」とも。「先祖の犯した問題の責任を子孫たちに取らせるという考え方は、前近代的な考え方ではないかと私は思います」と語り、最後に「日本と韓国の関係がより発展していくことを願っていますし、私も一助していきたいと思っています」と締めくくりました。