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『ボヤージュ』の舞台挨拶に異端・スカッド監督と出演者のレニさんとライアンが登壇! 同作品を公開する意義を明かす

2015年10月16日(金) レポート

10月16日(金)、よしもと祇園花月にて『ボヤージュ』が上映されました。
この映画は、“異端”といわれるスカッド監督がおびただしい裸体で描く新世界。文革時にモンゴルに下放された青年のエピソードに続き、鬱病の精神科医が船旅の途中、息子の事故死に怯える女占い師や集団自殺など、さまざまな愛と死にまつわる出来事を綴っていく様子を描きます。

上映直前、スカッド監督と出演者のレニ・スペイデルさん、ライアン・ツーさんが舞台挨拶を行いました。またとない機会に、駆けつけたファンも大きな拍手。

司会のヤナギブソンから「聞くところによると、監督は日本がお好きだそうですね」と尋ねられたスカッド監督は、「ミナサン、コンバンハ」と日本語でご挨拶! 続けて「京都は私が世界でいちばん好きな街です」と語ります。すでに20回以上も訪れているそうで、現在も窓から清水寺が見えるマンションを探しているところなのだとか。

ヤナギブソンが日本のグルメの代表的なものとして「ラーメンは好きですか?」と尋ねたところ、いちばんに反応したのがライアンさん。「京都駅にある『京都拉麺小路』によく行きます」と明かし、「ラーメンはデリシャス。僕は腹筋が8パックに割れているんですが、ラーメンを食べ過ぎて1パックになってもいいから食べたい」と語るほど大好物。

実はライアンさん、『ミスター・アジア2012』のグランプリに輝いたほどの素晴らしい肉体の持ち主。「せっかくだから…」と見事に割れた腹筋を披露する一幕もあり、お客さんは大喜びでした。
「皆さんに見せられたのが今日でよかった。これからラーメンをいっぱい食べる予定なので、2日後だったら見せられなかった」と爽やかな笑顔を見せました。

実はレニさんもラーメンが大好物だそうで、「なんと美女もラーメンを!?」と驚きを隠せないヤナギブソン。ほか、活け造りやうなぎにもトライしたそうです。レニさんからも「日本が大好き」とうれしい言葉。今日も伏見稲荷や清水寺を巡ったのだそう。

場が和んだところで、作品についてスカッド監督に質問をぶつけるヤナギブソン。
「フルヌードにこだわった理由は?」と質問すると、「人間は生まれた時は誰もが裸。ヨーロッパの芸術家も、人間を描く時は裸体が多いです。本当の人間を表す時は裸です」と理由を明かし、「昔の日本映画だと、例えば大島渚監督の作品のヌードにはテーマがありました。現在の日本映画にも、もっと冒険してほしい」と、近頃の日本映画について率直に語りました。

スカッド監督の人柄を尋ねられたレニさんとライアンさんは、ふたりとも「仕事関係というより友情関係に近い」と語り、お互いに強い信頼関係で結ばれていることがうかがえます。とくにライアンさんは、「今回日本に来て、兄貴のように日本の文化などを教えてくれます」とうれしそうに話しました。

最後に、「今回、この作品を世に出す意義は?」という質問を。
スカッド監督は「ひと言で表すと、映画のテーマは鬱、そして自殺です」とし、「できれば映画を観て、生きることの素晴らしさを噛みしめて劇場を後にしてもらいたいです」とメッセージ。ヤナギブソンも「非常に深い意味が込められた作品です」と語りました。

『ボヤージュ』は、12月12日より大阪のシネ・ヌーヴォにて公開されます。