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「“セレブレッド”な三浦貴大さんに注目!」2016年には劇場公開も控える杉野希妃初監督作品『マンガ肉と僕』が上映!

2015年10月17日(土) レポート

10月17日、TOHOシネマズ二条で、『京都国際映画祭2015』特別招待作品の杉野希妃監督による『マンガ肉と僕』が上映されました。

本作は、2002年にスタートした新潮社主催の「女による女のためのR-18文学賞」において、過去最高となる821作の応募の中から第12回大賞受賞作品に選ばれた、朝香式さんの「マンガ肉と僕」が原作。同文学賞作品の映画化は、竹中直人監督の『自縄自縛の私』、金子修介監督の『ジェリーフィッシュ』、に続く第三弾となり、杉野希妃監督の監督デビュー作でもあります。杉野監督は、出演兼プロデュースした『歓待』、『おだやかな日常』、『ほとりの朔子』と立て続けに国内、海外で高い評価を受け、本作と次回作の『欲動』では釜山と大阪の映画賞の新人監督賞を受賞しています。

撮影は京都で行われ、杉野監督は巧みに女性を描く溝口健二監督を意識されたとか。男性主人公ワタベが次々と出会う女性一人一人の生き様に、現代日本の若い女性が抱える諸問題等が反映されています。

上映前の舞台挨拶では、杉野希妃監督が登壇。作品についての話に入る前に、MCの浅越ゴエと京都トークを繰り広げました。広島ご出身の杉野監督ですが、京都が大好きだそう。そんな杉野監督が京都を舞台に撮った初監督作品が『マンガ肉と僕』です。2013年の『沖縄国際映画祭』でニュークリエイター部門と女優賞を受賞した杉野監督。クリエイター部門では、受賞者には次回作の支援があるそうで、その直後のこと。新潮社主催の「女による女のためのR-18文学賞」第3弾の映画化の話が監督のもとに舞い込みました。ノミネートされていた5つの短編小説を読んだ監督は、浅香式さんの『マンガ肉と僕』が面白いと思われ、「この作品だったらやってみたい」とお伝えしたところ、数日後に同作品が大賞を受賞されたそうです。「その偶然はすごいですね~!」と驚いた様子の浅越。「先見の明がありました(笑)」と杉野監督。

杉野さんにとって初の監督作品。女優として活躍される一方で、プロデュース作品も手掛けていた杉野さんは、いつかは監督もしてみたいと思っていました。「あれもやりたい、これもやりたいと考えていたのですが、現実化するのは難しいと思っていました。でも、2013年の3月にニュークリエイター賞をいただいて、9月には撮影が始まっていました」と何かに導かれるように進んでいったことを振り返りました

半年もない中での脚本執筆、構成の考案、キャスティングと、聞いていると目の回るような忙しさ。「半年間、アドレナリンが出っぱなしだったと思います。いろいろ大変でしたが、ずっと興奮状態だったので乗り越えられたと思います」。

見どころは?と浅越が尋ねると、「三浦貴大くんも、徳永えりさんも、ちすんさんも、みんな頑張ってくれました。キャスティングはベストだったと思います」と自信作であることをのぞかせました。その中でも三浦貴大さんが素晴らしかったと大絶賛。「さすが、三浦くんは“セレブレッド”です!」と声を大にされるも、浅越と観客の皆さんの頭上にはてなマークが浮かんでいます。セレブレッド??と一瞬の空白の後、「サラブレッドか!(笑)」と杉野監督。思わず浅越も「新しい造語! いいですね! セレブのサラブレッドでセレブレッド。どんどん言っていきましょう!(笑)」とテンションが上がっていました。ちなみに、三浦さんは「品があって、一言言えば全部わかってくれるところが“セレブレッド”」なんだそう。

また、自身の特殊メイクも見どころとも。「すごく太った女の子を演じないといけなかったので、ロバート・デ・ニーロのようなアプローチで太ろうかと思ったのですが、痩せているシーンも必要だったので特殊メイクにしました。特殊メイクをしていた時は性格も変って、あの時の私は凶暴でした。“おらおら”言っていました」と笑っていました。

作品の舞台は京都にしたいと、こだわりました。「私にとっては京都は聖地なので、憧れの場所で撮れました。観光地も出てきますが、地元の人しか知らないようなところも出てくるので、京都の方も他府県の方も楽しめると思います」とロケーションも注目してほしいとのことでした。

杉野さんの初監督作品、『マンガ肉と僕』は、来年早々、劇場公開される予定だそうで、「気に入っていただけたら、ぜひ広めてください!」と最後にPRを。ちなみに題名の読み方は『「マンガ肉」と「僕」』で、『「マンガ」「肉」と「僕」』ではないとのこと。「そこもお間違いないように!」との一言もありました。