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京都国際映画祭2015の2日目、大江能楽堂では、プロジェクト・クリエイターズ・ファクトリーの優秀賞が決定されました。

2015年10月16日(金) レポート

京都国際映画祭2015の2日目、大江能楽堂では、プロジェクト・クリエイターズ・ファクトリーの優秀賞が決定されました。

クリエイターズ・ファクトリーとは第5回沖縄国際映画祭より新設された、次世代を担う映像分野の人材や才能を発掘する公募型のプロジェクトでした。
京都国際映画祭では同プロジェクトをさらに発展させ、映像分野のみならず、アートの分野からも幅広いジャンルのクリエイターから作品を募集。
この日は、エンターテインメント映像部門の受賞候補から事前に選考した作品を上映したあと、優秀作品の発表が行われました。
同賞の受賞者には、同プロジェクトから次回作のサポートが受けられるということでも注目されています。

壇上には審査員を務めた殺陣師の菅原俊夫、映画監督の入江悠、映画史研究家の春日太一が登壇し、まず劇映画部門、時代劇部門、ノージャンル部門の各受賞作が発表されました。

劇映画の部では『くさいけど 愛してる』(永井和男監督)が受賞。入江監督は本作について「監督の変態性というか(笑)、この映画はこの人にしか作れないという作品をちゃんと作っていた。ねりこまれた芝居に思わず笑ってしまいました」とコメント。

時代劇の部では『一匹の親分 マタタビ地獄篇』(小川岳志監督)が受賞。
小川監督は「このような過分な賞をいただき恐れおおい。みなさんの協力あっての映画です。ありがとうございます」と所感を語りました。
菅原は「時代劇に関してはある程度こだわりが必要で、小川さんはこだわりにこだわって作っている、というのが審査員全員の感想です」。
春日は「驚きましたね。ちゃんとした時代劇をつくるという心意気が素晴らしかった」と絶賛していました。

そしてノージャンル部門では『Dawit』(※aの上に点が2つ)デービット・ヤンセン監督が受賞しました。
春日は「最初の出だしですごい、と思ってしまいました。事前の審査ではDVDでみたのですが、DVDで見てはいけないな、と2分くらいでやめてしまって。やはりスクリーンで見ると素晴らしかったですね。カテゴリーのしようのない作品で驚きました」。
入江も「素晴らしいですね、本当に30秒くらい観ただけで、とんでもない作品だと感じました」と語りました。そして、各部門を総合したクリエイターズ・ファクトリー優秀賞には、小川岳志監督の『一匹の親分 マタタビ地獄篇』が選ばれました。
監督は胸に手を当てて「信じられない」といった様子。トロフィーの扇子を授与されて「センスのいいコメントができなくてごめんなさい」と会場の笑いを誘っていました。

春日は「予想以上のレベルの高いものがきて戸惑った。
インディーズとして時代劇をつくってくれたという心意気も嬉しかったし、作品自体も素晴らしかった」と所感を述べ、入江は「落選はたまたま縁がなかったくらいの気持ちでいい」、菅原は「時代劇が低迷ぎみだったのですが、今は少し上昇気流にのりはじめたかな。そのなかで小川さんの作品は素晴らしかった。これからも時代劇の応援をお願いします」と締めくくった。

次にアーティストのバキバキが登場し、子ども部門とアート部門の受賞を発表しました。
子ども部門は木村舞樹「彫刻刀をもつ友人」が、アート部門は濱先光の「Vie」が受賞しました。